イギリスの家庭の夕食は「ワンプレートディッシュ」。言葉どおり、ひとつのお皿に魚か肉のメインディッシュと付け合せの野菜が1〜2品ほどというのが一般的です。
付け合せの野菜のひとつは100%といえるほど「じゃがいも」(ゆでるか蒸す、またはマッシュドポテト)であり、2番手として使われるのが「ピー」、つまり豆です。解凍した、またはゆでたグリーピースが多いようです。じゃがいもは日本人でいうところの主食的な役割を果たしており、かなり大量に食します。イギリス人の食事がシンプル=粗食というのは事実です。
フランス、イタリア、スペイン……島国とはいえ美食国家がご近所にはたくさんあるというのに、なぜイギリスだけがここまで粗食な国になってしまったのでしょうか? 諸説いろいろあるようですが、宗教的な要因が強いようで、17世紀頃からイギリスで広まった『清潔・清食』をモットーとする清教徒たちの思想がそのまま食にも反映されたという説がもっとも有力なようです。貴族階級の子息が学ぶ学校でも「美食はタブー、粗食こそが美徳」という教育がなされていたとか。その証拠に、今でも、オックスフォードやケンブリッジといった良家のご子息たちが学ぶ学校の学食のメニューはかなり質素です。