「イギリス料理に調味料は使われない。麻酔薬が使われるのだ」
これはイギリスの食事のまずさを揶揄する有名な一文です。
イギリス料理に調味料は使われないというのは言い過ぎですが、イギリス人にとって調味料といえば、塩。スパイスが国家の繁栄をもたらしたという歴史をもつ国でありながら、一般家庭でのメインの調味料はあくまでも塩なのです。
塩以外にかけるとしても、ちょっとの胡椒、もしくはグレイビーというドロリとしたソースぐらいです。このグレイビーはアメリカやヨーロッパの国々の料理にもよく使われるソースですが、イギリスのグレイビーは日本風にいうとダシ的な味がほとんどないものが多いのです。実際にはポタージュを作るように、小麦粉を肉汁で薄めていき滑らかに(ドロドロ)になったら出来上がりといったものなので、肉汁のうまみは出ているはずなのですが……。他の国では、生クリームや牛乳といった食材を加えてコクを出すことも多いようですが、イギリスのグレイビーの味の基本は塩味。それもとても薄い塩味なので、日本人にはかなりまずく感じてしまうことも事実です。
もうひとつ重要な調味料はビネガー(お酢)です。イギリス人はいろいろなものに塩とビネガーを大量に使います。イギリス人に言わせると、「イギリス人は食材に濃い味をつけないのは、自分で塩やビネガーなどをふりかけて自分好みの味に調整したいからだ」らしいです……。